リスティング広告

個人情報はどう取り扱えばいい?!

1.個人データの規制状況

情報通信技術の進化と普及に伴って、身の回りのさまざまな機器がネットワークに繋がるようになりました。この膨大なデータを処理する技術も進化しています。これらデータの有効性が高まり、処理速度や精度が高まる一方で、プライバシー上のリスクへの懸念も高まっています。

EUでは、一般データ保護規制が施行され、厳格なルールが作られています、さらにアメリカや日本でも、ユーザー個人に関するデータ取り扱いについての法整備や強化が進められています。

2.広告とユーザーデータの関係

インターネットの相互性、即時性を活かしたインターネット広告ビジネスでは、自動的に取得されるユーザーのログデータはビジネスの基本になります。

● ユーザーによる広告閲覧(インプレッション)やクリック
● クリックした後の行動(コンバージョン)
● ブラウザークッキーを利用したコントロール
→1ユーザーに対する広告表示回数の最適化(フリークエンシー)
● ブラウザーやOSのバージョンなどの端末から送信される情報(ユーザーエージェント)
→閲覧環境に合わせた広告クリエイティブの表示の最適化         など

人に向けて広告配信を最適化するのが一般的になり、プログラマティック取引の普及で、メディアを横断したオーディエンスターゲティングの手法が進んでいます。複数の事業者間で連携することで、量的にも十分な、より詳細なターゲット層に効率的に広告を配信できるようになってきています。

3.オーディエンスターゲティング

「オーディエンスターゲティング」とは、ユーザーから取得する登録情報や行動履歴情報などのデータ=ユーザーデータから、ブラウザーや端末を識別して広告の出し分けをする、という手法です。広告を配信する際には、マーケティング目標に沿った属性値や傾向をもつユーザー群=セグメントを抽出して、そのセグメントに対して配信をします。

オーディエンスターゲティングの種類

● 属性ターゲティング:
 ユーザーがメディアのサービスを受けるために自分で登録している情報などを利用

● 行動ターゲティング:
 クッキーなどの技術的な仕組みを利用して取得する行動履歴情報を利用
*リターゲティング:サイトを訪れた履歴で、そのサイトへの再訪を促す広告の配信。行動ターゲティングの1種。

● 地域ターゲティング:
 端末から自動的に取得可能なIPアドレスや許諾を得た上で取得可能なGPS情報を利用

最近では、さまざまなユーザーデータを組み合せるオーディエンスターゲティングが主流になっています。データ管理プラットフォームの登場で、さまざまな経路で取得されるデータを組み合わせた利用も可能になり、商品ブランドへのユーザー認知や理解を向上させるようなデータ活用への期待も高まっていて、その他さまざまな手法も開発されてきています。

4.ユーザー保護という考え方

このようなデータ活用の進歩は、事業者がより価値の高いサービスでさらなる広告収入を得られることで、ユーザーがサービスを無料や安価で受けることができたり、より興味のある広告に接する機会が増えたりと、ユーザーへのメリットもあります。

ただ、ユーザーからすれば、どの事業者がどのようなデータを利用して広告を表示しているのかが分かりづらく、特定の個人を識別して広告が表示されているような不快感を感じる人もいるかもしれません。

ユーザーの不安を取り除くためには、データを取得する際、あるいは利用する場面で、データの取得方法や種類などに応じて、ユーザーが適切にそれを知ることができるようにすることが大切です。データの取り扱いについて正しく情報提供を行い、信頼関係を築くことが求められているのではないでしょうか。

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