たとえば「大阪市」と配信設定をすれば、大阪市でアクセスした人に広告が配信されます。ところが、東京から大阪の店舗を検索して東京でも広告が表示される、ということが起こります。配信エリアの設定が間違っているのではないかという問い合わせをよく受けますが、これは間違っているわけではないんです。それなら配信エリア設定は関係ないのかというと、これはこれで大切な機能です。今回は、リスティング広告を出す人には絶対に知っておいてほしい「配信エリア」の特性についてご説明します。
1.Google広告の配信エリア設定画面
大阪市の設定画面
ここでは大阪市に配信エリアが設定されています。
これで後は実際の配信がされればいいのですが、データを確認すると近隣市からのアクセスが発生していることがあります。実はデフォルトでこのような画面になっているんです。
Google広告にログインして設定画面を開くと、「地域の設定」という項目があります。
その中の「目標」という項目を見ると、「所在地やインタレスト」にチェックが入っているのが分かります。
2.「所在地やインタレスト」って?
「所在地やインタレスト」にチェックが入っているということは、「ターゲット地域にいるユーザー」「ターゲット地域をよく訪れるユーザー」「ターゲット地域に関心を示したユーザー」が選択されているということです。
1)ターゲット地域にいるユーザー
実際にその地域に住んでいる、スマホでその場にいることがGPSで確認できるユーザー
2)ターゲット地域をよく訪れるユーザー
通勤など、市外からその地域に毎日のように行っているユーザー
3)ターゲット地域に関心を示したユーザー
「インタレスト」と言われているその地域に関心を持っているユーザー
この3つ目のポイントが実はあまり知られていないんです。
3.インタレスト=「ターゲット地域に関心を示したユーザー」って?
Googleのドキュメントを見てみると、ユーザーが関心を示している地域について説明されています。
1)検索語句に「梅田」「難波」などの地域を特定できる語句が含まれている
2)「USJ」「東京ディズニーランド」などの過去に調べた施設などの検索履歴
3)過去に住んでいた場所
4)Googleマップ(アプリも含む)でよく検索している地域
上記のようなGoogleでのさまざまなユーザーの行動から、興味・関心があるであろう地域としてパーソナライズされ、そのエリアの広告が表示されます。これが設定した配信エリア外からのクリックが発生してしまう理由です。
4.インタレストを含まない設定はできる?
設定の配信エリア外からのアクセスを含みたくないという場合は、手動でインタレストを含まない設定に変更することができます。
先ほどの目標の項目の中の「所在地:ターゲット地域にいるユーザー、ターゲット地域をよく訪れるユーザー」を選択します。これで、そのエリアに住んでいるか、通勤などで定期的に訪れる人のみに変更できます。
ただ、市外から通勤している人などもいるので、完全に分けられるわけではありません。多少のクリックは発生しますが、それほどの数ではないはずです。あまり神経質にならず、余裕をもってデータを見てください。ただ、それでもどうしてもエリアにこだわるとしたら、選択したエリアを除外することはできます。
まとめ
実際の経験からお伝えすると、最初は所在地とインタレストの設定で問題ありません。ただ、集客が思わしくなかったり、市外からのクリックが異様に多い場合は、インタレストを外して所在地のみの設定でテストしてみるといいですよ。
配信エリアについて、知識としてエリア外からのクリックが発生する可能性がわかっていれば、エリア外からのアクセスがあった時にも慌てずに済みます。ぜひ覚えておいてください。