Google広告に導入されているAIによって、広告配信の自動化ができるようになりました。便利な自動化ですが、実はAI任せすぎると危険なこともあるんです!今回は、自動化に潜む意外な落とし穴について解説します。
1.AIゆえの懸念って?
現在では、広告文の見出しは最大15個まで登録することができます。
登録した見出しの中で、検索ワードが含まれていたり、ランディングページとの関連度が高い見出しが入っていると比較的優先的に表示されるようになっています。そのため、たとえば多少冒険をした見出しを登録した場合、定番から少し外れたような見出しはインプレッションがあまり上がらず、インプレッションが上がらなければその見出しを登録した効果はほぼ期待できません。少ないチャンスを掴んでコンバージョンを取ったりできない限りは、その見出しはなかなか採用されないのです。
2.実際には何が困るの?
AIの基準で優先的に表示される見出しに対して、少し冒険をした見出しなどがあまり表示されないと何が困るのでしょうか。たとえば「肩こり 大阪」と検索したとき、似たような広告文ばかりになってしまうということなのです。
ユーザーの視点で考えてみると、この場合なら「肩こりが治る」というのは分かるとして、ではどれぐらい治るのか、その治療法は実際効くのか、というようなプラスアルファの情報が知りたくて検索しているはずです。その知りたいことが見出しに入っていれば、見出しだけでも比較することができます。似たような広告文ばかりになってしまうと、広告文だけでは比較しづらくなってしまうのです。
3.配信エリアで偏り?
配信エリアは、たとえば店舗から「半径5km」のように配信するエリアを設定することができます。ところが、半径5kmに設定してエリアの端に人口が多いところがあったとすると、せっかく半径5kmで設定していたとしてもそのエリアの端にある人口の多いところでクリックが集中して発生してしまう、ということも起こります。こうなると、いったん設定を変えて店舗の中心地にクリックを集めてから再度設定するなど、いろいろな工夫をする必要が出てきます。このような偏りが起こってしまうことで、せっかく配信が自動化できても集客が伸び悩むということもあるのです。
まとめ
最近では、AIが学習して進化することで成果ににつながると言われていますが、AIがゆえの偏りが起こっていることが課題にもなってきています。「関連度」や「クリックの獲得のしやすさ」はもちろん大事な指標ですが、自動化したことで似たような広告ばかりになったり、店舗から離れたところでクリックが集中してしまうのでは、自動化のメリットが活かせません。
対処法として、見出しなら「見出しを固定する」「均一配信」などの設定もあり、これらを利用して工夫することも必要です。一方で、根本的にアルゴリズムの見直し、進化にも力を入れてもらい、ユーザーに訴求できるクリエイティブが作れるような仕組みになると、もっとAIを搭載したメリットが出てくるはずです。