リスティング広告

新たな展開?!治療院ではP-MAXはやめるべき理由

2024年はGoogleが推奨していたP-MAX導入年と言えます。検索型広告とP-MAX広告の両方を組み合わせる「パワーペア」が最強手段であるとお伝えしました。ところが最近、治療院ではP-MAX広告は成果につながっていないのではないかという新たな展開になってきています。今回は、成果につながっていそうでいない、P-MAXの要因について解説します。

1.これまではなぜおすすめだったのか

精度の高さ

ディスプレイ広告や動画広告のターゲティングでは、アフィニティカテゴリ、購買意向の強いユーザー層、カスタムオーディエンスなどの設定でユーザーをセグメントすることが可能です。ただ、その場合はユーザー層の仮設を立て配信設定するので、実際のコンバージョンしたユーザーデータに比べると精度が低いとみなされます。

P-MAXには、検索型広告のコンバージョンデータを元にターゲティングする機能があります。やみくもに広告を出すのではなく、コンバージョンしたユーザーの傾向を元に広告配信をするのでターゲティング精度が高いと考えられました。

クリック単価が安い

P-MAX広告は、検索型広告の1/2から1/3のクリック単価で配信が可能です。そのため、より多くのユーザーをHPに呼び込むことができるというメリットがあります。同じコストであれば2、3倍の良いユーザーをHPに呼び込むことができるというのは大きな魅力でした。

YouTubeショートへの配信が可能

YouTubeショートの閲覧数は増えています。そこにP-MAX広告を配信できることもメリットのひとつでした。動画広告というのは少しハードルが高いものでしたが、P-MAXをスタートする場合はバナーや動画制作も行うことになるので、依頼しやすい背景もあったといえます。

最近では通常の検索型広告でのクリック単価が上昇の一途なので、同じ予算で考えた場合サイトへの流入数/クリック数が減少傾向です。検索型広告での集客が頭打ちの状況のなか、打開策としてペコリスでも期待がありました。ターゲティング精度が高く、しかもクリック単価が安いうえにYouTubeにも配信が可能となれば、P-MAXはおすすめだったのです。

2.実来店につながらない

ところが実際に運用してみると、管理画面上のコンバージョンでは大量に上がるものの、実来店にはあまりつながっていないという実態が見えてきました。

仮説1:検索パートナーをオンにした時の挙動に類似?

この3つの要素は、検索パートナーをオンにした時とよく似ています。「P-MAX広告は検索パートナーにも広告配信しているのではないか」というのが1つ目の仮説です。

仮説2:検索型広告の精度に左右される?

仕組みとしては、検索型広告のデータを元にターゲティングをしています。ただ、そもそも「ボタンのタップ」などの浅めのコンバージョンの場合は制度が低いのではないか、という疑問です。

3.Googleの回答

そこで、この2点についてGoogleサポートチームに確認をしてみました。

検索パートナ―について

P-MAXでは、検索パートナーに必ず配信される仕組みになっていることがわかりました。配信をカットすることはできないそうです。

以前からペコリスでは検索パートナーへの配信はあまりおすすめしていません。検索型広告の場合、配信を「オフ」にするようおすすめしています。それをP-MAXでは配信してしまっているとしたら、まったく意味がありません。P-MAXで検索パートナーから無意味なコンバージョン/クリックが多発している可能性があります。

コンバージョンについて

Googleサポートチームの見解も「購入完了」など、明確なコンバージョンを記録する場合は良いが、浅めのコンバージョンやマイクロコンバージョンを記録している場合はターゲット精度が高いとは言えないのではないか、というこちらの見解に近いものでした。

精度が高いという印象でしたが、思ったほどは精度が高くないというのが実態かもしれません。さらに検索パートナーで実益につながらないコンバージョンが多数発生することで、AIの自動学習が働き、そちらに配信が偏る特性があります。本来ターゲットとしたいユーザーに広告が配信されなくなり、余計にコンバージョンがしにくい状況が生まれてしまいます。

4.P-MAXの配信状況と利用する際の設定

さらに、Google広告管理画面のレポート機能を使って配信国を調べたところ、海外への配信が非常に多いことがわかりました。インドネシア、フィリピン、ベトナムなどの東南アジアやインドに多いこともわかりました。これが無駄クリックの温床になっている可能性は高いと思われます。日本よりも海外で多くクリックされているケースもあります。

そこで、どの業種でもP-MAXを利用する際には、配信地域の設定で「興味・関心があるユーアーに配信する」を必ず「オフ」にするのをおすすめします。

まとめ

これまで、実際にGoogleが推奨する内容を元にクライアントにおすすめしてきましたが、実来店につながったケースはとても少ないという結果でした。コンバージョン数の減少に対しての打開策として効果があるのではないかと期待しましたが、現状ではむしろ導入すべきではない、というのが結論です。違う業態で深いコンバージョン設定であれば成功事例もあるようですが、残念ながらP-MAXを妄信しすぎて思わぬ結果になったと言わざるを得ません。

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