1.コンバージョンの質を理解する
一般的にコンバージョンの質は「転換率(CVR=コンバージョンレート)」や
「LTV=Life Time Value(顧客生涯価値)」と呼ばれるもので測られます。
「転換率」とは、サイトに訪れたユーザー総数に対して、どれだけの人が実際にお金を使って商品を購入したりサービスを利用したかの割合です。また「LTV」とは、ユーザーが他のサービスや商品に移ってしまうまでそのサービスや商品に対して投じる金額の総額です。
どれだけその企業の売り上げに貢献してくれたかが、ダイレクトにわかる指標です。言ってみれば、「こんなユーザーにはお金をかけてでも集客したい」と思えるようなユーザーを数値化するというようなイメージですね。
2.コンバージョンの質とは
web広告に慣れてしまっている人にありがちなのが、数値やコストには目が行くのにその質に目がいっていない、ということ。確かに質を判断するには、数値では測りづらい、正確な判断をするには数ヶ月といったある程度の時間がかかる、などのハードルもあります。しかし、コンバージョンの質を理解しているのといないのとでは、1ユーザーにかけられる広告費が大きく変わってくるのです。
たとえCPAが高くても、そのユーザーのロイヤリティーが高く一生サービスを使ってくれるとしたら、広告費以上の大きな利益になることもあり得ます。「効果測定できる環境」に加え、「何を持って質が良いとするのか」を決めることも大事なのです。
3.一見してはわからない質もある
コンバージョンの質を測る指標があると言っても、一律にマニュアル通りに測っていては見えてこない質もあります。
例えば、転職や就業希望者に求人を紹介し、サポートしながら就業支援する人材派遣会社の場合、利益は実際に就業が決まった就業先から年収の20~30%が報酬として利益となります。つまり、質を表すポイントは就業率と就業者の年収の高さとなりますが、実際の面談や就業などはオフライン上で行われます。そのため、その数値はweb上では把握できません。
ある人材会社では、その質をシステム的に広告に紐づけしたところ、広告によってその数値に違いがあることがわかりました。一般的に見れば広告によって獲得したweb上の登録は1つの登録ですが、その質は違うため、CPAも変わってくることが分かったのです。
このように、一見同じ1つのコンバージョンでも「webで測れる箇所を増やす=webの登録数を増やす」だけで測ってしまった場合、いまの広告費が適切かどうかが見えてこない場合もあるのです。コンバージョン数自体は重要ですが、このようにコンバージョンの質自体も大事だということがお分かりいただけるでしょう。自社のサービスに対して「質の良いコンバージョンとは何か」を、いま一度考えてみましょう。