Google広告にはさまざまな「入札戦略」という設定があります。みなさんは、どんな設定にされているでしょうか。今回は、「最強の入札戦略」と言われている「コンバージョン値の最大化」について徹底解説していきます。
1.入札戦略ってどんなもの?
入札戦略はさまざまな設定があります。
1)個別クリック単価
2)拡張クリック単価
3)クリック数の最大化
4)コンバージョン数の最大化
5)目標コンバージョン単価
6)コンバージョン値の最大化
7)目標広告費用対効果
8)目標インプレッションシェア
目標インプレッションシェアは、最近できた入札戦略です。このたくさんある入札戦略の中で、もっとも効果が期待できるのが「コンバージョン値の最大化」と言われています。
2.「コンバージョン値の最大化」のためには?
最強の入札戦略と言っても、闇雲にコンバージョンの数値を設定するだけでは効果は上がりません。コンバージョン値の最大化には、まず一定数のコンバージョン数が必要になります。獲得したコンバージョンのデータが、AI学習のもとになるからです。
AIを育てるためには、まず「クリック数の最大化」でクリック数を集めます。たくさんのクリック数の中から、コンバージョンするユーザーがどんなユーザーなのかを学習させるのです。次に「コンバージョン数の最大化」でたくさんのコンバージョンを集めることで、AIが学習をしてコンバージョンするユーザー像をイメージしていきます。コンバージョンするユーザー像が見えてきたところで「コンバージョン値の最大化」を設定します。
AIの学習が進むと?
AIの学習が進んでいくと、CPAを下げたい、ということも出てきます。
そうなったときには「目標コンバージョン単価」を設定してみて、1件当たりのコンバージョン単価を○○ぐらいに抑えたい」というように一定の単価で抑えるようにします。そうすることで、闇雲にコンバージョンを獲得するのではなく、しっかりと費用対効果を考慮した上で目標コンバージョン単価に合わせて配信してくれます。このように、AIは段階的に成長していくものなので、いきなり効果が出るというものではないのです。
3.そもそも「コンバージョン値」って?
コンバージョンは「何をコンバージョンとして設定するのか」によって変わってきます。たとえば、2つのコンバージョンを見てみましょう。
1)webサイト上で電話をかける
2)ボタンを押したらLINEの友達登録が開く
この2つを比べてみて、重要度はどちらが高いでしょうか。
これは、お客さまと直接話をする機会であり、そのまま予約に繋がっていく流れも考えられる「webサイト上で電話をかける」というコンバージョンの方が重要度は高いですね。この「価値」を何も設定していないとすると、Google広告としては何が重要なのか理解できません。このような【「価値」を設定する】のが「コンバージョン値」と呼ばれるものです。
コンバージョン値は、コンバージョンの設定画面に入力する箇所があります。
たとえば「webサイト上で電話をかける」を1件1万円で、「ボタンを押したらLINEの友達登録が開く」を1件5,000円で設定して、この「価値」に対して差を付けます。そうすることで、AIは「webサイト上で電話をかける」コンバージョンの方が価値が高く「ボタンを押したらLINEの友達登録が開く」コンバージョンの方が価値が低い、ということを認識できます。
4.設定した上で「コンバージョン値の最大化」をすると?
コンバージョン値をしっかりと設定した上で「コンバージョン値の最大化」を設定することで、AIはコンバージョン値の高いユーザーが現れたときには入札をしっかりと強めて獲得しようとしてくれます。つまりは、闇雲にコンバージョンを取ろうとするのではなく、貢献度の高い、重要な価値のある、コンバージョンをしそうなユーザーを獲得するのに注力してくれるのです。
とても素晴らしい設定なのですが、1つ注意が必要です。
実は、理論上は非常に素晴らしい最強の設定なのですが、実際にはなかなか理論通りにいかないことも多いのです。ご紹介したようにコンバージョン数を集め、コンバージョン値を設定し、「コンバージョン値の最大化」の入札戦略に変えた場合、しっかりと噛み合えば貢献度の高いユーザーを呼ぶことが可能です。ただ、実際は必ず噛みあうとは限らず、五分五分程度の感覚です。設定してみて、うまくいけばもちろんそれに越したことはありません。上手くいかない場合は「コンバージョン数の最大化」に戻してみる、もう少しAIに学習させてまた数カ月後に試してみる、など状況に合わせていろいろと試してみましょう。
まとめ
「コンバージョン値の最大化」は理論上の最強戦略ではあるのですが、残念ながら無敵の戦略とは言えません。こういう設定があるということは知った上で、設定を少しずつ変えてアカウントを成長させていく、というイメージで運用してみてください。その成長のためには、やはり日々のコンバージョンの獲得が大事になってくるのです。