最近よく聞かれるのが、「以前よりもCPCがかなり高くなっていませんか」「クリック単価が合わなくなってきていませんか」といった声です。
CPCが高いからといって、上限クリック単価を設定して無理やり蓋をすれば解決するのかというと、そういう話ではありません。むしろ、それをやってしまうことで、成果につながる配信まで抑制してしまうケースも少なくないと感じています。
では、このCPC高騰の状況に対して、どのように考え、どのような対策を取っていけばよいのでしょうか。本記事では、CPCが高騰する仕組みと、その上で取るべき具体的な対策について解説します。
1.CPCが高騰する仕組み
CPCはオークション形式で決まっている
まず、なぜ最近CPCが高騰しているのか。この点を理解するために、CPCがどのように決まっているのかを整理します。
Google広告のCPCはオークション形式で決まっています。複数の広告主が同じキーワードに入札し、Google側が誰の広告をどの位置に表示するかを、配信のたびに判断しています。
自動入札による入札単価の吊り上がり
ここで重要なのが、最近このオークションに自動入札が使われている点です。自動入札は、ユーザーがコンバージョンしそうだと判断すると、高い金額で入札することがあります。
その結果、成果につながりやすいキーワードやタイミングに入札が集中し、クリック単価が上がる状況が生まれています。さらに、競合も同様に自動入札を使っているため、AI同士が入札単価を引き上げ合う状態になっています。
成果が出るキーワードの集中
もう一つの要因が、成果が出るキーワードがほぼ出揃ってきている点です。多くの業界では、「このキーワードを取れたら成果が出る」というワードはすでに把握されており、新規・既存を問わず同じキーワードに入札が集中します。
その結果、競合集中と自動入札の特性が重なり、最近のCPC高騰が起きていると考えられます。
自動入札時代ではCPCが上がりやすい
手動入札の時代には、クリック単価が高ければロングテールを狙う手法もありましたが、自動入札では反応の出るキーワードに配信が寄りやすくなります。そのため、キーワードが成熟するほど、CPCは上がりやすくなります。
言い換えると、競合性の高いキーワードや広告枠そのものの価値が、以前よりも上がってきているとも言えます。
2.高騰しているキーワードの扱い
次に、高騰しているキーワードをどのように扱うかについてです。
判断軸としてまず見てほしいのは、そのキーワードからCVが発生しているかどうかです。CPCが高いか低いかだけで判断するのではなく、CVがきちんと発生しているかを重視します。
まず、キーワード全体を確認し、CPCが高騰しているものを洗い出します。そのうえで、CVがついているかどうかを確認します。CVがついていない状態で高騰しているキーワードは、停止の対象になります。
一方で、CVがついている場合は、さらに検索語句単位で中身を確認します。フレーズ一致やインテントマッチの検索語句を見て、どの検索語句でCVが発生しているのかを把握し、成果が出ている語句は完全一致に置き換えるといった対応も有効です。
また、検索語句の中に検索意図がズレているものが含まれていれば、除外で削り込んでいきます。こうすることで、1つのキーワードの中に含まれている余分な検索語句を排除できます。
それでもなお、検索意図は合っているのにCVが発生していない、もしくはCPAが高い状態が続いている場合は、一度そのキーワードを停止して検証する判断も有効です。
つまり、高騰しているキーワードは、CPCが高いから止めるのではなく、CVが出ているかどうかを軸に判断していく必要があります。
3.LPの関連度
キーワード以外にも取り組める対策として、LPとの関連度を高めることが挙げられます。
LPの関連度は、1つの要素だけで判断されているわけではありません。ページ全体を通して、検索キーワードとどれだけ内容が一致しているかが評価されます。具体的には、タイトル、見出し、本文の内容、ファーストビュー、ページ構造、そしてユーザー行動などが評価軸になります。
例えば、「腰痛 整体」というキーワードで広告を出しているにもかかわらず、ページのタイトルが「当院のご紹介」だけだと、関連度はどうしても低くなります。一方で、「腰痛でお悩みの方へ」「腰痛専門の整体施術」といった見出しがあれば、キーワードとのつながりが明確になり、関連度は高く評価されやすくなります。症状ごとのページを作ることには、このような意味があります。
また、腰痛で検索している人に対して、どのような腰痛に対応しているのか、どのような施術を行うのかといった説明がページ内で十分にされているかも重要です。
これはSEOと同じ考え方で、ページ内容を解析する力は、以前からSEOで培われています。そのロジックを広告に持っていくだけで、どのようなページなのかを広告と関連づけて評価することは、Googleにとって難しいことではありません。
そのため、画像ばかりで構成されたページでは、判断材料となるテキスト情報が少なく、関連度を上げづらくなる可能性があります。
4.ファーストビュー
関連度の中でも、特に注目したいのがファーストビューです。
ファーストビューも「関連度の評価に影響している」と言われています。画像そのものを直接評価しているというより、滞在時間やユーザー行動を通じて評価されていると考えられます。ファーストビューを見た瞬間にミスマッチが起きると、ユーザーはすぐに離脱するため、平均滞在時間が短くなります。この滞在時間をもとに関連度が評価されていると考えると、ファーストビューの役割は非常に大きいと言えます。
ただ、最近のAIの解析能力を考えると、画像内のテキストや構成をある程度読み取って判定していても不思議ではありません。だからこそ、タイトルやキーワードだけでなく、そのキーワードで検索したユーザーがページを開いた瞬間に、訴求が伝わるか、ユーザーに必要な情報が与えられているかという視点で、ファーストビューを見直すことが重要です。
最近は、シンプルなファーストビューが良い、文字が多すぎると良くないなど、さまざまな情報がありますが、何のページなのか、どんなメリットや特徴・強みがあるのかをしっかり伝えることで、結果的に広告の関連度が上がり、広告ランクが上がり、CPCが下がるという結果につながっていくと考えられます。
まとめ
今回は、CPCが高騰する仕組みと、その上で取るべき具体的な対策について整理しました。CPCが高いからといって単純に止めるのではなく、高騰しているキーワードでもCVが発生しているなら基本的には残す。CPAが高い、もしくはCVが出ていない場合は、一度停止して検証する。この判断が重要です。
1つ念頭に置いておきたいのは、CPCを下げることが必ずしも正解とは限らないという点です。見るべきなのは、CVが取れているかどうかです。
予算が限られている中では、CPAがどれくらいか、獲得できたユーザーがどれくらいのLTVを生むのかといった点も総合的に考える必要があります。LTVが高いお客さんの場合、CPAが1万円のところを1万5,000円まで許容するといった判断も成り立ちます。その場合、CPCが100円ではなく200円でも許容できる、といったバランスになります。
CPCが高いということは、1クリックあたりの市場価値が上がっているとも言えます。集客単価そのものを、これまでよりも高い前提で見直すという考え方も必要です。そのうえで、キーワードの見分け方や、LP、ファーストビューの改善といった、できる努力を積み重ねていくことが大切です。本記事の内容を参考に、ぜひ配信内容とページ改善に取り組んでみてください。


2026.02.26

