1.・戦略を決めていくプロセス
具体的にマーケティング戦略を考えていくプロセスを「マーケティングプランニング」と言います。
マーケティングプランニングのプロセス
2.3C分析
基本的な最初のステップは、外的要因と内的要因を把握するために3つの視点から現状の把握をする「3C分析【自社の環境(company)】【顧客の環境(customer)】【競合企業や市場環境(competitor)】」です。
一般的に企業としては理想の未来を想定しがちですが、謝った認識で計画を進めても成功は難しくなります。「今までの経験」や「なんとなく」という曖昧な印象や感情的なものではなく、現状をしっかりと把握して分析することが大事です。その際「定性的分析(質的データをもとにした分析」と「定量的分析(数値をもとにした分析)」という視点で考えてみましょう。
3.SWOT分析/クロスSWOT分析
次のステップでは、課題を明確化し、それに対応するための長期的な戦略を考えます。
3C分析で浮かび上がってきたことに対して、「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」の4つの視点で整理する「SWOT分析」です。
さらにそれぞれのポイントを「強み×機会」「弱み×機会」「強み×脅威」「弱み×脅威」というように組み合せた「クロスSWOT分析」というものもあります。
「強みと機会(チャンス)のあるところでは積極的な戦略」
「強みはあるがさまざまな脅威が予測されるところでは、競合と徹底的な差別化」
「弱みではあるが機会が期待できるところは自社の弱点克服を検討」
「弱みであり脅威も予測されるところは撤退も視野に入れる」 など
要素を整理して戦略の方向性を明確にし、冷静に検討して仮説を立てていくことが大切です。
4.STP
実際の広告プランニングでは、このSTP(セグメンテーション/ターゲティング/ポジショニング)の策定からスタートする場合も多いでしょう。大きな視点からより商品や消費者に近い戦略を考える方法です。
セグメンテーション(市場・顧客の細分化)
商品販売にあたっての市場カテゴリーを、地域や価格帯、購買/使用目的、価値観などから決めていくこと。
例)車のカテゴリー分け
クラス/ミディアムクラス/エグゼクティブクラス(ラグジュアリー)」
ターゲティング(市場・顧客の選定)
実際に購買につながる市場や購買層を具体的に想定していくこと。
デモグラフィック要因(年齢/性別など)
例)「コンパクトクラス」→30~40代男性/4人家族など
例)「ラグジュアリークラス」→年収2000万以上/会社役員/高層マンション所有など
サイコグラフィック要因(心理的な属性や要因)
例)キャンプ好き、日常的にアウトドアスポーツ など
ポジショニング(自社独自性や優位性/競合との差別化)
自社の商品の特徴や優れているところを整理し、競合との関係性を再認識したり新たな関係性を作っていくこと。
ポジショニングでは、「ポジショニングマップ」がよく使用されます。
縦軸と横軸に任意の指標を決め、競合各社の特徴に従ってマップ上に置いていきます。
競合との関係だけでなく、ニッチマーケットや競合の少ないマーケットなど、さまざまな戦略検討で活用できます。
4.マーケティングミックス
具体的なマーケティング・広告プランの作成方法はさまざまありますが、その1つに企業視点での戦略ポイントの4Pと消費者視点の4Cを比べる「マーケティングミックス」というものがあります。
企業からの一方通行ではなく、「企業と消費者のコミュニケーションをどのように成立させていくのか」「相互理解はどうすればいいか」というような、双方の視点が大切になってくることがわかります。
5.コミュニケーション戦略
解決すべき課題が見えてきたら、それをどのように解決していくかの戦略になります。
最近では「コミュニケーションデザイン」とも呼ばれます。
・企業として理想的な消費者との関係性をいかに作るか
・消費者のニーズや期待、思いにフィットする企業メッセージや商品の特徴
・消費者は企業からのメッセージをどう受け取るのが1番良いか など
手段やプロセスありきで考えるのではなく、消費者の共感や理解を得られるように、そのために必要なことは何かというような視点で考えるのが重要になってきます。その上で、広告メディア選定、広告掲載面、クリエイティブ素材、メッセージ内容、掲載タイミングなどを検討していきましょう。