インターネット広告は、細かいターゲティング設定で手軽にでき、結果も手元で確認できるとても便利なものです。その分、同時に複数のキャンペーンを行ったり、数多くのターゲットを細かく設定することも多いでしょう。
そのため、本当にそれで良かったのか、より効果を発揮できるはずだったターゲット、ターゲットに合ったプランやメディアの選定、クリエイティブなどを振り返らずに次に進んで行ってしまうことも多いかもしれません。適切なプランを作り、その結果を把握して改善/改良点を洗い出す。。。というPDCA管理をすることが大切になってきます。それには高いスキルと客観的な視点が必要になります。しっかりと管理し、スムーズに進めるためにもポイントを押さえておきましょう。
1.目的とKPIを明確にする
効果測定開始前に、目的がブランディング重視かパフォーマンス重視かを明確に
目的が、これまでにもご紹介した態度変容重視か行動変容重視かを明確にして、広告主の最終ゴール(KGI=Key Goal Indicator)を認識していないと、正しい評価のための指標設定は難しくなります。
正しいKPIを設定し、効果確認に必要なデータを整理しておく
KGIに重要な中間評価指標をKPI=Key Performance Indicatorに設定しましょう。
ブランディング目的ならば認知のための到達量やブランド好意度、パフォーマンス目的ならばクリック数、などの数多くの指標の中からKGIに影響を与える要素を正しく理解して、KPIを設定するのが大切です。その中間指標が測定可能かどうかも含めて、効果を確認するのに取得の必要があるデータを整理しておくようにしましょう。
KPIを何で評価するのかを事前に検討しておく
結果を見るだけではその要因は把握するのが難しいため、結果の解釈のための適切なベンチマークが大切になります。比較対象になる指標がある時は、そのデータの使用や定義を確認して、同じ基準で比較できるようにデータを取得し、正しく評価できるようにしましょう。
2.到達指標と効果指標の違いを理解する
効果到達指標:
特にリーチ関連のデータ検証に使われる指標。
実際にそれだけ予定通りに広告を届けられたか。
効果指標:
実際にユーザーが広告に接触したことで、どれぐらい態度要変容/行動変容が起きたのかを測定する指標
広告効果測定で使われる数字は大きく分けてこの2つになり、区別してその違いを理解した上で、PDCAサイクルを行うことが大切です。
3.検証時の単位に注意する
単位が何かを理解して数字を読む
同じリーチでも、数字の単位が人数なのか、デバイス数なのか、ブラウザ数なのか、クッキー数なのかでは、インパクトが変わってきます。
例えば、「1人当たり、3ヶ月で平均7個のクッキーを所有している(インテージ調べ)」ことが分かっています。それをUB=Unique Browserベースで考えると7000万リーチと考えられるとして、UU=Unique Userベースなら1000万人ということになります。
1クリックの重みが違うこともある
行動変容の指標の1つとして使われることが多いのが、クリックです。ただ、その定義は必ずしも統一されているわけではなく、媒体によっても1クリックの重みが違ってくるということが実際に起こっています。
4.対象を理解して使い分ける
以前、全数データとパネル調査についてはご紹介しました。
これらの数値は、効果検証の目的に合わせて使い分けたり、併用することが大切です。
5.純増効果の測定
本当の意味での効果を表す純増効果
広告効果は、これまでは例えば購買の場合、実は広告接触がなくても買った人が含まれてしまっていました。これでは純粋な広告効果がどうかが判断できず、CPAが実際の値より高く出ている可能性もあります。
現在では、広告純増効果(インクリメンタリティ)を結果として見ることができる「リフト調査=広告接触あり(テストグループ)/なし(コントロールグループ)のグループを作ってそれぞれ比較する」が重要視されてきています。
グループの作り方に違いがあることを理解しておく
媒体や調査会社によってグループの作りかたはそれぞれ違い(特にコントロールグループ)があるので、それを理解して効果測定をしていきましょう。