2023年10月にいよいよ「インボイス制度」がスタートしました。
Google広告の広告費はどう対応したらいいの?と思った人もいるのではないでしょうか。これまで経費として扱っていたGoogle広告費やweb広告費が、経費として使えなくなってしまったら困りますよね。月間10万円だとすれば、年間で120万円。これは大きいですね。今回は、これまで通りに対応できるように、Google広告の請求の取り扱い方について解説します。
1.インボイス制度
よく聞くのは「経費で落ちなくなるのではないか?」ということ。
事業者番号のない業者からの請求は経費として認められない、と思っている人もいるかもしれませんが、これは大きな間違いです。インボイス制度というの消費税に関しての制度なので、広告費が経費で認められるかというのとはまた別の話になります。
インボイス制度を簡単に説明すると「事業者番号を取っていない業者から仕入れる場合、消費税分の金額は消費税としては認められない」というもの。つまり、どこから仕入れるかによって、消費税分が利益になる場合とならない場合が出てくるということです。
これまでは、すべて消費税として認められていたので、「仕入れのうちこれだけの金額は消費税」ということでした。言ってみれば、売り上げの消費税から仕入れの消費税分を相殺することができました。インボイス導入後には、事業者番号のない業者からの請求については、相手が消費税を払っていたとしても実質相殺というわけにはいかないので、消費税分をこちらが負担する必要がある、ということなんです。
2.具体的にどういうこと?
たとえば、八百屋さんを経営しているとします。
売上は税込110万円とすると消費税はそのうち10万円です。八百屋ですから仕入れる必要があります。仕入は税込55万円、そのうちの消費税は5万円です。決算時には、お客さまからいただいている消費税10万円分から自分が仕入れ時に払った5万円分を相殺して、残りの5万円は消費税として納付するというのが、これまでの納付方法でした。
インボイス導入後、事業者番号がない業者から仕入れようとするとどうなるのか?
先ほどの仕入れにかかった金額の消費税5万円は、事業者番号のない業者からの仕入れということで消費税とは認められません。仕入れでは消費税を払っていない、「0円」という扱いになるので、決算時には10万円の納付義務になります。
ただし、猶予期間があります。今の段階では、そのうちの80%は支払い義務がありません。「20%は払ってくださいね」ということになっています。つまり、先ほどから認められないと紹介していた消費税分は、実質「20%分は消費税として認められない」ということになります。
3.クレジットカードの場合は請求書を添付
毎回Google広告の請求書を出すのではなく、税理士にカードの利用明細を見てもらって経費として計上するなど、クレジットカードの利用明細を使って、経費で落とすというケースがあると思います。実は、これに関しては今後できなくなります。
インボイス導入後は、インボイス制度の番号が記載されている請求書でないと消費税の計算に使えません。つまり必ず請求書が必要になります。これまでクレジットカードの利用明細だけでGoogle広告の広告費を経費計上していた人は、必ずGoogle抗ックの管理画面から請求書をダウンロードして、決算時には添付するようにしてください。これをしないと、前述したように消費税分が認められません。
4.請求書はどうやって出す?
管理画面の右上「ツールと設定」の「料金」の項目から「ドキュメント」を選びます。
請求書のダウンロードページが開きます。画面右側の「ダウンロード」ボタンをクリックするとダウンロードできます。
請求書はこんな感じです。右上にはTから始まる登録番号も書かれています。
この番号が必要になってきます。
ただし、2023年7月以降の請求書しか現在は表示されません。Googleでこのインボイス制度に対応した請求書の発行を開始したのが7月以降だからです。これ以前の請求書を調べたい人は、請求書ではなく明細書であれば出すことができます。そちらを参照してみてください。今後はドキュメントの中に毎月請求書が追加されていきます。毎月が面倒、という人は、決算前に一気にダウンロードすることも可能です。
まとめ
広告費に関しては、Google広告の請求書をしっかりとダウンロードして、決算時にきちんと提出すればまったく問題ありません。クレジットカードの利用明細だけではだめですので、「請求書をしっかりと提出する」ということを覚えておいてください。