アメリカのGoogle検索で「AI検索」が搭載されたというニュースを耳にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。このブログでも以前紹介したAI概要といい、AIがどんどん身近になってきて、検索にも大きな影響を与えるようになってきています。今回はそんな最新情報「AI検索」について紹介します。
1.AIモードとは
それでは実際の画面で紹介していきましょう。

これはアメリカ向けのGoogleページです。

スマホで検索する際、上のほうにメニューが表示されます。「All」というのがデフォルトになっています。このAllの横に「AI Mode(AIモード)」という表示があります。AI検索というのは、自然にAIが検索するのではなくAIモードに切り替えて検索するイメージです。
2.実際の検索例

これは質問例です。「今週末に、ボストンパブリックガーデンで婚約写真を屋外で撮影する予定だが、ベストなのはいつですか?」と書かれています。

そしてこれが、さまざまな情報からAIが出した回答です。
「今週ボストンパブリックガーデンで婚約写真を屋外で撮影するのに最適なのは、木曜日です。理由は以下です。
天気:今週の天気予報では木曜日は1日ほぼ晴れ、最高気温42℉(華氏42度=約5.5℃)の予報です。気温は低いですが、屋外撮影に適した自然光になります。」
従来、検索する時には「いつがいいのか?」など、あいまいな検索はしませんでした。たとえばこの場合なら、天気予報を調べて、どの曜日が最適なのかを自分で判断していたはずです。このAIモードでは、会話のように質問を投げかけ、AIに天気を調べてもらってどの曜日が良いのか判断・提案までしてもらう、というイメージです。人間に質問する時のフレーズに近くなってきていますね。
3.広告はどうなる?
ところで、広告を出している人にとってはAIモードで検索した際、広告が表示されるかどうかは気になるところです。広告の表示については、まだ情報は表示されていませんが、このようになるのではないかと予想できます。

この表示を見てみると、情報の比較が行われています。このように、画像付きの見出しが並ぶのではないでしょうか。ショッピング広告の情報版、といった感じです。
4.AI検索で広告はどうなる?!
広告代理店にとっては、広告がなくなることは死活問題です。ただ、それだけでなく、広告がなくなるということは、市場に自由競争がなくなってしまうということでもあります。たとえばAIが選んだ3つの商品から選ぶという選択になり、それ以外の商品が取り上げられなくなれば、偏った商品しか売れなくなる可能性もあります。市場の商品が「数%の売れる商品」と「それ以外のまったく売れない商品」になってしまうことも考えられるのです。
もうひとつの懸念は、売上の大半を占めるGoogleの広告事業が成り立たなくなるのではないか、ということです。成り立たなくなれば、収益性が落ちて新たな投資ができなくなるかもしれません。将来的にGoogleが衰退していく、という結果にもなりかねません。このような事態を避けるためにも、おそらく、Googleとしては検索結果に広告を表示するというプラットフォームは変えたくないはずです。AIの回答に対してどのように広告を表示させるかについては、Googleでも研究に注力しているところでしょう。
まとめ
30年ほど前、インターネットの登場で世界が激変し始めました。それと同様のことが、AIの登場で起きようとしているように感じます。これまで、検索エンジンが理解しやすいような単語の組み合わせや言葉で検索していたものが、まるで人に聞くように会話で検索するという形に変わりつつあります。しかも、会話のつながりを理解したうえで回答・提案してくれるのです。これまでの広告は、検索するキーワードに対して表示されていましたが、今後はその背景にあるニーズやベネフィットなどの「何をしたいのか」にフォーカスして表示されるようになるのではないでしょうか。