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クリック単価を下げろと言われたら?

社内で広告運用している場合、上司にクリック単価を下げてもっとクリック数を増やすように言われたらどうしますか?そのまま上限クリック単価の設定をしてしまいますか?上司の言いたいこともわかりますが、このような場合はクリック単価を下げれば解決するとは限りません。では、どのように説明すれば納得させられるのか?今回はクリック単価について、上司に説明する際のポイントも合わせて解説します。

1.これまでの常識が変わってきている

これまでには、クリック単価を下げることでクリック数を増やせば、コンバージョン数を獲得することも期待できました。ところが、クリック単価を下げてクリック数を増やしても、必ずしもコンバージョン数が増えない時代になってきました。

100円を切るような低いクリック単価は魅力的です。1クリックが30円と1000円では雲泥の差ですが、クリックすることでコストが発生する仕組みなのでコストとアクションは密接です。心理的なインパクトが大きく、ついついクリック単価に目が行きがちになってしまいます。

2.考えがちの理論

たとえば1クリックが1000円の場合、半分の500円にすればアクセス数が2倍になるのではないか、さらに売り上げも2倍になるのではないかと思うかもしれません。1日も早くクリック単価を下げたい、と思ってしまいがちです。確かにアクセス数は2倍になるでしょう。ただ売り上げも2倍になるのかというと、そう簡単にはいかないのです。

3.具体的には?

たとえば、購入する気のユーザーが10人お店に来るのと、まったく買う気がないユーザーが100人お店に来るのとでは、どちらが売上につながりやすいでしょうか。これは「購入する気のユーザーが10人お店に来る」ほうが断然売上につながります。どれだけ多くのユーザーがHPを訪れたとしても、買う気のないユーザーばかりでは売上につながらないのです。

Google広告の設定に「クリック数の最大化」という設定があります。安いクリック単価で多くのユーザーを集める戦略ですが、2023年末ごろから、この設定では集客が伸びない・落ちるという事例が多く発生しました。このことからも、安いクリック単価で多くのクリック数を集めるだけでは売上につながらなくなってきたことがわかります。

以前は広告のターゲティングの制度があまり高くなかったため、とにかく少しでも多くのユーザーから優良顧客を見つけていくという手法が主流でした、その頃であれば、クリック単価を抑えてクリック数を集めるという方法は間違っていません。ただ、現在ではターゲティングの制度がかなり高まり、AIが学習する時代です。多少クリック単価が高くても、購入する意欲の高い顧客をHPに連れてくることは可能です。

4.「クリック数の最大化」ではなく「コンバージョン数の最大化」

いわゆるクリック数の最大化では売上が上がらなくなってきた今、どう対応すればいいのでしょうか。その答えの1つが「コンバージョン数の最大化」です。コンバージョン数の最大化では、コンバージョンしたユーザーの属性(年齢・性別・趣味嗜好)を分析してコンバージョンしやすいユーザー層を特定します。その属性に対して広告を配信していきます。つまり、購入する意欲の高いユーザーに広告を配信していく配信設定なのです。弊社ではこの設定を導入し、実際に一時期落ち込んだ集客を取り戻すことができました。

AIが学習するようになった現在では、「いかに多くのクリック数を集めるか」ではなく「売上につながるユーザーに広告をいかに配信するか」というターゲティングがもっとも重要です。安いクリック単価にこだわってしまうと、購入意欲の高いユーザーに出会うことなく売りが得を落とす可能性があるのです。

まとめ

クリック単価自体の理解も大切ですが、インハウスの場合はこれを上司にどう伝えるのかも重要です。「今はもうそんな時代じゃない」とは、間違っても言わないようにしましょう(笑)。過去の運用から、クリック単価とコンバージョン数がどのように変わったのか、証明する資料を作ることです。

仮に安いクリック単価でクリック数が取れているようであれば、クリック単価を下げるという選択肢もあるでしょう。逆にクリック単価が高くてもコンバージョン数が多いことが証明できれば、その資料を根拠にしっかりと説明しましょう。「今はAIの学習で適切なユーザーにターゲティングが行われるので、その影響でクリック単価が若干高くなっている。ただ、その方が集客数が多いため、クリック単価ではなくCPAで広告を評価していくのが良い」などと説明できれば、ベストでしょう。何といっても実績が大きな説得力になります。片手に資料を忘れず、上手に上司を説得してください。

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