年々高騰しているクリック単価に悩まされていませんか?広告を出す企業が増えたことで、クリック単価は上昇傾向にあり、限られた広告予算で獲得できるクリック数が減ってしまうのが現状です。そこで検討したくなるのが「上限クリック単価」の設定。費用を抑える手段として有効な一方、使い方を誤ると広告効果を下げてしまうリスクもあります。
この記事では、上限クリック単価を設定すべきかどうかの判断ポイントや、導入方法、注意点までをわかりやすく解説します。
1.上限クリック単価の設定方法
昔はクリック単価をすべて手動で設定していましたが、現在は自動入札が主流となり、上限クリック単価を設定するケースは少なくなりました。一方で、競合の増加によって特定のキーワードに入札が集中し、クリック単価が高騰する傾向も見られます。特にコンバージョンが見込める一部のキーワードは競争が激しく、単価が上がりやすいのが現状です。
そんな時に活用できるのがGoogle広告の「ポートフォリオ入札戦略」という機能による上限クリック単価の設定です。設定方法の手順を紹介します。

Google広告の管理画面で「ツール」→「入札戦略」をクリックし、「ポートフォリオ入札戦略」をクリックします。

「詳細設定」をクリックします。

下限クリック単価と上限クリック単価を設定する画面が現れ、こちらでクリック単価を設定することが可能です。
2.上限設定のメリットと注意点
クリック単価の上昇を抑えるために上限を設定するのは合理的な選択のように思えますが、その裏には注意点もあります。それは、オークションで負けやすくなるということです。上限があることで、勝負すべきタイミングでも入札を控えるようになり、表示順位が下がる可能性があります。この入札バランスは難しく、特にコンバージョンに最も貢献しているメインキーワードに上限を設けてしまうと、大きな機会損失につながりかねません。一方で、上限クリック単価を設定しても表示順位に大きな変化がない場合は、無駄な支出を抑えられている可能性もあります。
3.設定効果の確認方法
上限クリック単価の設定が効果的かを見極めるには、1度上限クリック単価を設定し、1ヶ月後にオークション分析で「インプレッションシェア」と「上位表示率」をチェックすると良いです。これらが変わっていなければ、上限クリック単価の設定が広告費削減に貢献したと判断できるでしょう。
4.成果につながるキーワードの選び方
クリック単価を抑える手法は、上限設定だけではありません。もう一つの有効な手段が、競合性の高いキーワードを避け、クリック単価の安いキーワードで勝負するという戦略です。まず重要なのは、高騰しているキーワードが本当に成果に繋がっているかどうかをしっかり見極めることです。もし、クリック単価が高くても、そのキーワードが実際にコンバージョンに貢献してるのであれば、むしろ積極的に競争に勝ちに行くべきです。逆に、クリック単価が高いにもかかわらず成果に繋がっていない場合は、そのキーワードを停止することで、全体の平均クリック単価を下げることが可能です。
まとめ
最も重要なポイントは、クリック単価が高かろうが安かろうが、全体の広告費を成果の数で割った「コンバージョン単価(CPA)」が許容される範囲内であればOKということです。例えば、1クリックが1000円と非常に高額であっても、最終的なCPAが許容範囲内であれば、それは問題のない広告と言えます。逆に、いくらクリック単価が安くても、成果につながらないのであれば、その広告には意味がありません。広告の良し悪しを判断するのに、クリック単価だけで評価しないように注意してください。


2025.10.30

