インターネットの普及によっていろいろなことが変わってきていますが、それにともなって従来のマーケティングの流れも変わってきているようです。今回は、参加してきたGoogleのセミナーでのポイントをご紹介します。
1.マーケティングの流れそのものが変わった?
これまでは、認知 ⇒ 比較検討 ⇒ 行動という流れが一般的でした。
この最後の「行動」で、実際に予約をする、物を買うというようなコンバージョンになります。従来ではまず「知ってもらう」=認知されることから始まっていましたが、インターネットが普及するようになり、最近ではその流れが変わってきているようです。
2.Butterfly Circuit(バタフライサーキット)
ユーザーはさまざまな媒体で常にいろいろな情報に触れています。ぱっと見て気に入ったものがあったとき、それを他の媒体でも確認して徐々に考えを固めていくというように、これまでとは違い常に「探る」作業と「固める」作業を繰り返す傾向にあるようです。Googleではこれを、「Butterfly Circuit(バタフライサーキット)」と呼んでいます。マーケティングの中ではまだそれほど認知はされていませんが、探る作業と固める作業を8の字のようにぐるぐると繰り返すような状態を指しています。
たとえば、車やキャンプ用品などは、この流れになりやすいようです。
● SNSで「これはいいな」と思う商品を見かける
↓
● インターネットでその商品を検索してみる
⇒「思った通りに良さそうな商品。実際に使ってみるとどうなのか知りたい。」
↓
● YouTubeで検索。実際に使っていたり、話題になっている動画を見てみる。
⇒「やはり良さそう。良いに違いない。」
↓
● 購入する
このように、ユーザーは1つの媒体だけではなく、さまざまな媒体を行き来しながらいろいろな情報を集めます。その流れの中で確認・検討をしながら、徐々に気持ちが固まっていって購入や利用をするようになってきているのです。
3.受動的な情報探査行動
能動的という言葉に対して能動的という言葉があります。
能動的な情報探査行動では、明らかに自分のしたいこと、ほしいものが明確になっています。このように能動的な場合は基本的に自分から検索するので、これまでのように検索に対する広告が有効です。
一方で、受動的とは「他から働きかけられて行動するさま(広辞苑)」とあります。
自分の求めているものが明確・顕在化した状態の能動的な行動に対して、自ら求めているのではなく、顕在化する前の潜在的な行動を「受動的な情報探査行動」と言います。ウィンドウショッピングのように、買うかどうかまでは考えていないがちょっと見てみよう、と検索するような状態です。
この場合に、最近では動画を使った検索が増えているのです。
たとえば車のように、商品によってはHPやブログでの文字情報よりも、動画のほうがよりリアリティのある情報が得られます。このような商品に対しては動画媒体がまさにマッチしています。特にYouTubeは、他の媒体に比べても個人がその商品を実際に使ってみたり、その感想や説明を紹介することができるのが特徴です。
4.コネクテッドテレビ
テレビという媒体もかなり変化してきています。
地上波しかなかったところにケーブルテレビなども登場し、現在ではコネクテッドテレビというものが普及してきています。Apple TVやクロムキャストなどです。インターネット回線に繋がっている=コネクトされているテレビで、テレビ画面でYouTubeが見れたり、オンラインのサービスを使えたり、映画などを見ることができるテレビです。インターネットに繋がっているので、オンラインショッピングやインターネットそのものも使うことができます。
テレビでYouTubeを見る人にとっては、YouTube広告をテレビCMと同じ感覚で見ている人もいるようです。今後はさまざまな家電がインターネットに繋がるという構想も進んでいて、YouTube広告が普及していくことも十分考えられます。
まとめ
最近ではテレビのあり方自体が変わってきていますね。
これまでのようなリアルタイムでの視聴というよりは、録画視聴が増えてきています。録画の場合はCMを飛ばして見る人が多く、CMなどが入らない専門チャンネルを登録して見る人も増えています。テレビ広告の存在価値が低くなり、ネットに移行しつつあるように感じます。これからのマーケティングにおいては、広告と動画の関係がより本格化していくのではないでしょうか。テレビCMに比べて、YouTube広告ではユーザーをセグメント化できるので、低コストのローカル媒体としても優秀です。これを機に、ぜひ広告の選択肢の1つとして考えてみてはいかがでしょうか。