「ABテスト」というものは聞いたことはありますか?デザインやコンテンツなどの一部を変えて、2つのバージョンのどちらに効果があるのかを測る方法です。正しくテストするにはいくつか気を付けるポイントがあります。今回はGoogleのABテスト機能について解説します。
1.ABテストとは
ある施策やデザインの効果を比較するために、対象を2つ以上のグループに分け、それぞれ異なるバージョンを提示して効果を測定する手法です。マーケティング、Webサイト改善、アプリ開発、メール配信などでよく使われます。一定期間テストを行い、クリック数やコンバージョン率などを計測し、効果に差が出ているかを判定。最終的に効果の高い方を選びます。
2.ABテストは比較ポイント以外は同じ条件で行う必要あり
季節によって休日数は異なります。5月にはGWという大型連休があり、その後は一般的に財布の紐は固くなるといわれています。たとえばAを5月にテストし、Bを6月にテストしたとすると、季節によるニーズの変動に影響されてしまいます。このように、ABテストは比較するポイントを以外は同じ条件で行わないと正しく効果が測定できません。こういった問題点を解決してくれるのがGoogleのABテスト機能です。
3.Google広告のABテスト機能
同じ条件下でテストするためには、同じ時期にテストするのが理想です。Google広告には、同じ時期に予算を50%ずつ配分してAバージョン、Bバージョンのそれぞれを試す機能があります。「ランディングページのリンク先をAとBで分ける」「入札戦略を試すのにAとBを分ける」など、時期や予算などが同じ条件になるようにテストを行ってくれます。
4.Google広告のABテストのやり方

管理画面を開き、左側のメニューの「キャンペーン」を選択します。さらに中メニューの「キャンペーン」を選び、その中の「テスト」をクリックしてください。

このようなテストの画面が開きます。新しくテストを作る場合には「青い+(プラス)」マークか、下の「テストを作成する」ボタンをクリックしましょう。今回は青いプラスボタンをクリックします。

するとテストのタイプが表示されます。デフォルトで複数のタイプがありますが、「カスタム」は自由度の高い設定ができます。今回はカスタムで解説しましょう。
カスタムを選択すると「キャンペーンタイプ」が表示されます。今回は、ランディグページのURLが違うバージョンでテストをするという設定で「検索ネットワーク」を選び「続行」をクリックします。

「テスト名」はどんなものでも構いませんが、「日付+どんなテストかわかる名前」にするとわかりやすくなります。「説明」は任意なのでそのままでOKです。

その下の「キャンペーン」は、どの基本キャンペーンでテストを行うかを選びます。右側の「えんぴつマーク」をクリックし、表示されたキャンペーンを選択したら左下の「保存して続ける」をクリックしてください。

するとこのように表示されます。一見変わっていないようにも見えますが、左上を見ると「変更する」という表示があります。この状態はBバージョンの作成を設定する画面です。変更することで、Bバージョンを作ることができます。今回はランディングページのURLを比較するので、左側の「広告」をクリックしてください。

さらに「最終ページURL」でURLを変更します。下にスクロールした先にある「広告を保存」をクリックします。これでBバージョン作成が完了です。先ほど選択した基本のキャンペーンで選択したものがAバージョンです。

次にスケジュールを設定します。
画面上部の「Schedule(スケジュール)」をクリックします。

「テストの目標」:入力必須・プルダウンメニューから選択
「テストへの分配比率」:50%ずつでOK

「テスト期間」:開始日と期間を設定。終了日が決まっていれば終了日入力でも可
「同期を有効にする」というのは、Aバージョンに何か変更があった場合にBバージョンを同期してくれる機能です。基本的に「オン」にしておいてください。
最後に「テストを作成」をクリックしましょう。

作成直後なのでステータスは「作成中」になっていますが、これでABテストのそれぞれAバージョンとBバージョンが設定できたことになります。
■設定の確認方法

「キャンペーン」をクリックすると、このように表示されます。リスト中に「a 指名」「a 指名 8/6 LPテスト」という先ほど作成したABテストが表示されています。この両方が、先ほど設定したスケジュールと50%の予算という同じ条件で広告として表示されます。この結果で、どちらでコンバージョン数が高いのかを見て効果のあるURLを選ぶ、という流れです。
■テスト結果の確認

先ほどのテストの画面を開くと、このような項目ができているはずです。
ここのテスト名をクリックしてください。

するとそれぞれの結果が表示されますので、ここで比較することができます。
まとめ
今回は、Google高億の管理画面を使ったABテストをご紹介しました。正しくテストするには同じ条件で行う必要があるABテストですが、実は同じ条件にするというのがなかなか難しいのです。Google広告の管理画面にあるシステムを使うことで、比較的簡単にABテストを実施できます。
配信エリア、キーワード、広告文などテストしたいことをそのまま試すのがイマイチ不安という場合には、ぜひABテストを行ってみましょう。効果を見極めたうえで選択できれば、費用対効果の改善もしっかりとできますよ。