1.データの客観性
データが客観的なものであるかどうかは大切です。
測定タグ方式でインターネット広告を測定する場合、さまざまな要因で結果は異なります。
1)測定タグの実行タイミング
2)測定タグのファイルサイズ
3)測定タグが保存されているサーバーからの通信距離
4)ログデータのクリーニング方法(データチェック/加工)
5)集計ロジック
アメリカでは、インターネット広告の測定指標基準が提示されており、監査団体も活動しています。また、ドイツやフランスでは、測定ソリューションの監査が行われています。このような監査により、定義や測定手法が統一され、データに客観性を与えられるようになりました。
測定ソリューションだけでなく、アンケートでの意識データに対しての信頼性も大切です。簡単に大量のサンプルが集められるインターネットアンケートが主流ですが、属性や構成に大きな偏りがあれば当然結果も偏る可能性が大きくなります。この偏りを少しでも減らすような工夫が必要になります。
広告の効果は、普遍性を持つデータを元に客観的に示すことが大切です。
日本では欧米のような監査団体はありませんが、信頼関係のある事業者間で厳しい相互チェックが行われることで客観性が保たれています。
2.広告効果をベンチマークと比較
広告の効果を検証する際に大事なのは「結果を比較する」ということです。
例えば、ある商品の広告を制作し、インターネット上でキャンペーンを行ったとします。この効果を調べるのに、これまでご紹介したように広告配信時に測定タグをセットし、広告出稿後にアンケートを実施したとしましょう。
この結果を見て、何が分かるでしょうか。
例えば、「CTR1%」というのは低いのか、高いのか。
「商品購入・利用意向が30%」というのは成果が出ていると言えるのか。。。
測定データは、ベンチマーク(基準や水準となるもの)となるKPIと比較して初めて結果が良かったのか、悪かったのかが判断できます。
3.共通認識を持つ
さまざまなデータが取得できるようになったことで、これまで見えなかった真の効果も見えるようになってきました。各指標が可視化できるようになったことにより、費用対効果を高めるために、KPIを重視して細かな指標を突き詰めるなど、広告主が効果測定を重視する傾向がより高まっています。
ただ、指標によっては取得するデータが異なり、それらのデータを組み合せて指標を出します。ご紹介してきたように、その際「各指標の元になるデータがどのような定義で出されたものか」ということに注意が必要です。
測定している指標が同じであっても、その基準が違えば同じ尺度で比較はできません。インプレッションの測定基準の違い、不正なトラフィックを排除した数字であるかどうか、メディアによる定義の違いなど、必ずしも同じ指標が同じ定義を持つとは限りません。正しい効果検証をするためには、同じ意味・同じ基準で測定された数字を比較し、過小・過大評価をしないためにも共通認識をもつことが大事になってきます。