広告を運用していると「クリックはされているのに成果が出ない」と感じることはありませんか?そんなときに役立つのが、新しい評価指標「CTVR」です。本記事では、CTVRの考え方からGoogle広告の管理画面での設定方法まで、実践的に解説します。
1.CTVRとは
CTVRとは 「CTR(クリック率) × CVR(コンバージョン率)」 で算出される指標です。
CTRは、広告が表示回数に対してどれくらいクリックされたかを示します。リスティング広告の場合、3〜5%程度が目安です。
CVRは、クリック数に対してどれくらい成果(CV)が発生したかを示します。こちらは1〜3%程度が目安です。
今回紹介するCTVRを導入することで、「広告表示回数に対して、どれくらいCVするか」を一目で確認できます。例えば、CTRが10%、CVRが5%なら、CTVRは0.5%になります。これは1,000回表示されれば5件のCVが期待できるという意味になります。
2.CTVRの意味
CTVRは、複数の広告を比較し、より良い広告を評価する際に役立ちます。
例を挙げてみましょう。
【広告A】:クリック率は良いが、CV率は低い。
表示1,000回 → クリック100回 → CV 5件
【広告B】:クリック率は悪いが、コンバージョン率は良い。
表示2,000回 → クリック50回 → CV4件
計算すると以下の通りです。
【広告A】
CTR: 100 ÷ 1000 = 0.1
CVR: 5 ÷ 100 = 0.05
CTVR: 0.1 × 0.05 = 0.005(0.5%)
【広告B】
CTR: 50 ÷ 2000 = 0.025
CVR: 4 ÷ 50 = 0.08
CTVR: 0.025 × 0.08 = 0.002(0.2%)
CTVRで比較すると、広告Aの方が評価として高いということが分かります。このように、CTRやCVRだけでは判断が難しい場面でも、CTVRを用いれば、表示数から見て最も効率よくCVを獲得できている広告を特定しやすくなります。
3.Google広告での設定方法
Google広告の管理画面に「カスタム列」を作成すれば、CTVRを自動で表示できます。手順は以下の通りです。

「キャンペーン」内の広告画面を開き、「表示項目」をクリックします。

「カスタム列」をクリックします。

「+カスタム列」が表示されるので、クリックします。

数式を入力する画面が出てきます。まず列の名前に「CTVR」と入力し、データ形式を「パーセント(%)」に設定します。

括弧や列をクリックして、以下の数式を入力します
( クリック数 / 表示回数 )* ( コンバージョン / クリック数 )

入力が完了したら画面下の「適用」をクリックします。

管理画面にCTVRの列が表示されます。
この設定により、広告ごとのCTVRを一覧で確認できるようになり、評価や改善の判断がしやすくなります。
4.CTVRを活用した改善方法
CTVRを使えば、クリック率が良くてもCVが少ない広告と、クリック率が低くてもCVが多い広告の、どちらが良いのかを数値で比較することができます。
また、多数の広告を運用している場合には「CTVRが0.01%未満は停止する」といった基準を設けることで、効率的に改善が可能です。
ただし、広告評価において、コンバージョン単価(CPA)を低く抑えたい場合は、クリック数が少なくコンバージョン数が多い方がコストパフォーマンスは良いという点も考慮することが大切です。
まとめ
今回は広告の評価に便利な指標「CTVR」について紹介しました。CTVRは、CTRとCVRを掛け合わせた実践的な指標で、広告の成果をわかりやすく把握できます。Google広告の管理画面に設定しておけば、自動で数値を確認でき、複数の広告を効率的に比較・改善することができます。ぜひ今回の手順を参考に、管理画面にCTVRの項目を設定し、広告運用効率の向上に役立ててみてください。


2025.11.13

