技術の進歩で、AIによってさまざまな設定を自動化してくれるようになったというお話をしました。その1つに「クリック数の最大化」というものがあります。
広告費用の予算は人それぞれ違うと思いますが、誰でもその予算を最大限有効に使いたいものですよね。クリック数の最大化の機能を使えば、指定した予算でクリックを最大限に獲得することを目指せます。今回は、この「クリック数の最大化」について詳しくご説明していきます。
1.クリック数の最大化ってなに?
「クリック数の最大化」の機能を使うと、指定した予算内でクリック数を最大化できるように、AIが自動で入札単価を調整してくれます。クリック目標に合わせて予算を設定すれば、広告グループ、キーワード、プレースメントの入札単価など、残りの設定はすべて自動で設定してくれるので、入札単価を設定するのには1番簡単な方法です。
クリックを最大で獲得できるように自動入札がされるので、コンバージョン数の最大化や目標コンバージョンと比較すると、比較的クリック単価が抑えら、インプレッションシェアも上がりやすい傾向があります。キャンぺーン単体で使用することもできますし、ポートフォリオとして設定することで、複数のキャンペーンを1つのグループにまとめて 適用することもできます。
ところで、これまでは「クリック数の最大化」を使用しているすべてのキャンペーンの 1 日ごとの目標予算を設定していましたが、2021年1月以降は、1日の平均予算を基に運用されるようになりました。移行前に目標予算で運用していて、設定の変更をしなかった場合は、移行後は自動で切り替えとなっています。
2.具体的には?
それでは具体的に考えてみましょう。
例えば、水曜が休診で、曜日で見ると土曜日と月曜のクリック数が多い治療院があったとします。
キャンペーンで「水曜は配信しない」というスケジュール設定をしていれば、それを考慮して調整をしてくれます。運用のし始めは学習期間でもあるため、クリック単価の上限は設定せず、どれぐらいで調整されるかを見ながらデータを集めていくというのも1つの方法です。クリック単価が高騰したり、競合と比べて高いような時は上限を設定してみましょう。あるいは、この学習期間中にいろいろな価格を試すため、単価が大幅に上下してクリック単価が上がることがありますが、それを避けたい場合はクリック単価の上限を設定しておくのも1つの方法です。
曜日によってクリック数に大きな違いがある場合は、曜日ごとに学習するため、キャンペーンを分けて予算を変えておけば、すべての曜日で同じようなクリック単価で配信するように調整できるでしょう。
データが蓄積されていけば最適化されていき、予算内でクリック数の増加が見込めます。
3.こんな時はどうなる?
クリック数の最大化というのは、逆に言えばクリック単価をできるだけ下げて価格を調整してくれるということになります。ただ、クリック数の最大化を設定すると、入札単価の設定ができなくなります。「それなら、もし設定してクリック単価が上がってしまったら?」という心配もありますよね。
クリック数の最大化の設定では、クリック単価の上限を設定することができます。
例えばクリック単価を500円は超えたくない、という場合は、クリック単価の上限を設定すれば、超えない範囲でクリック数が最大化されるように入札単価を調節してくれます。ただし、クリック単価の上限設定が低すぎると、広告が配信されなくなってしまったりデータが蓄積されなかったりするので、気を付けてください。
4.まとめ
クリック数の最大化を設定することで、予算内でできるだけ効率よくクリック数を獲得できるように自動で調整してくれるのはメリットですね。ただ、デメリットもあるので設定の際には検討も必要です。
たとえば、1週間/1ヶ月などの期間で検索に波がある/トレンドがある場合は、うまく集客につながらない可能性もあります。また、クリック数の最大化が最適になるまでには一定の学習期間/データ収集期間が必要です。最適化されるまでの期間は一定ではありませんが、学習期間として1週間ほどは数値が悪化することもあります。これらのデメリットも理解した上で、上手に使っていきましょう。