まず、1つ心に止めておきたいことは、効果的なメニューや配信設定は効果的なクリエイティブがあってこそ、ということです。「パッと見てかっこいい」「見た目がきれい」ということではなく、伝えたいことが本当に伝わるかどうか、本当にユーザーが求めているものなのかどうかを、改めて見直してみましょう。
1.各メニューを評価する
ディスプレイ広告も同じように、ただ広告を出しただけで効果が出るわけではありません。まずは、「ユーザーの行動の中のどのポイントに対して配信を行っているのか」という観点から、それぞれ広告を評価してみましょう。基本的には下図のように考えられるでしょう。
評価の仕方
有料広告測定ツール利用の場合
①の矢印では間接コンバージョンやビュースル―コンバージョン(広告を見たがクリックせずに、他の経路でコンバージョンした数)を指標にするといいでしょう。
利用していない場合
2番目の図内の①の矢印の目的を、中間コンバージョンで測りましょう。
ECサイトなら「カートページを訪れた人」、求人サイトなら「求人詳細ページを訪れた人、メルマガを登録した人」など、最終的なコンバージョンには達していない途中までたどり着いた人の数です。自社に照らし合わせて中間コンバージョンを設定するといいですよ。
YDNやGDNでは複数種類のコンバージョンタグを設定できるので、①でどの広告でもコンバージョンがない場合は、その広告を見直してみるといいですね。
評価例
2.縮小する広告
コンバージョンをできるだけ下げずにCPAを下げるのが目的です。
そのために、無駄をできるだけ取り除きます。
検討すべき点
● 効果の出ない広告掲載先をやめる
● 効果の出ないユーザー属性への配信をやめる
● 効果の出ないクリエイティブをやめる
それぞれのレポートを見れば効果の善し悪しが分かるはずです。
悪いところは止めていき、それでも改善しない場合には全体の入札金額を下げてみましょう。ここで気をつけたいのは、「最初から入札金額を下げないこと」です。効果のいい掲載面/属性にも配信されなくなってしまい逆効果になる可能性があるので、気をつけてくださいね。
もう1つの注意点は、2番目の図内の矢印①と②の関係です。
①と②のユーザー行動は互いに影響し合っています。たくさんのユーザーがサイトを訪れると、配信できるユーザー数は増えます。逆に①が減ると、②の配信数(インプレッション数)が減ってしまうのです。
間接効果が測れる場合はいいのですが、そうでない場合は①を縮小したことで②にどんな影響が出るのかに気を付け、全体の広告効果がより悪くなるようなら①を復活させる、など対応が必要になります。
3.拡大する広告
「CPAをできるだけ上げずにコンバージョンを増やすことができる」のが効果のある広告です。この効果のある広告は拡大すればいいわけですが、一気にコンバージョンを増やしながらCPAを減らそうとするのは避けるようにしましょう。
改善すべき点がたくさんある、という場合はまた別ですが、3ヶ月ほどの運用で広告の効果の変化はあまり顕著でなくなってしまいます。2つのことを一気にやろうとすると、どちらもうまく改善できずに中途半端になってしまうケースが多いのです。まずは、いかに流入ユーザーの数を増やすか、ということに焦点を当ててみましょう。
検討点
● 効果の良いクリエイティブをマイナーチェンジ → CTRを上げる
● 効果の良いユーザー属性や掲載面を別の広告グループに分ける
→ よりユーザーに合った広告クリエイティブを創る
まずは入札金額を上げないでできることをしてみましょう。
その後、さらにコンバージョン数を増やすために入札金額を上げていくのをお勧めします。改善をしたら、1週間後にその効果をチェックし、再度縮小/拡大を検討してみます。これを繰り返し行ってみてください。