1.どの場面で使っていくのか
ディスプレイ広告には多くのメニューや配信方法があるので、どこから始めるべきかわかりづらい、という面があります。まずはどの場面でディスプレイ広告を使っていくのかを決めてから、メニューや配信の設計をしていきましょう
3つの場面
1.顧客になる可能性がある
2.自社のサービスを知ってもらう
3.購入・登録などのコンバージョン
2.最優先度のターゲット
3つの中でも最優先すべきなのは2の「自社のことは知っているが購入には至らないユーザーへのアプローチ」=サイト上のCVRが低い場合です。
この場合の対策は、リマーケティング(リターゲティング)広告=自社サイトを訪れたことがある人に対して広告を配信するメニューです。簡単に言うと、自社のサイトに専用のタグを埋め込み、クッキーというものをユーザーに付与します。そのクッキーが付与されたユーザーに広告が配信可能になる、というものです。具体的には、自社サイトを訪問したユーザーが、他のサイトを訪れた際に自社の広告が表示される、ということです。
ただし、自社サイトを訪れた人全てに同じ広告を配信しても意味がありません。
サイトを訪れたユーザーをリスト化して、「いつ訪れたのか」「どんな人が訪れたのか」「訪れたときに何をしたのか」で分類し、それぞれに最適な広告を配信しましょう。
前述したリマーケティング機能では、この3つの分類でそれぞれ違うクリエイティブを見せたり、入札金額を変えたりという運用ができます。リスティング広告で言う、キャンペーンやグループのイメージです。区切って運用することで、効果を見ながら配信を止めたり、強めたりというような改善ができます。
リマーケティング広告の3つの要素
● どのページを見たか:ユーザーが欲しい物、どれだけ欲しいかがわかる
● いつサイトを訪れたか:何日前に訪れたかで商品の記憶の鮮明さがわかる
● どういう人が訪れたか:年齢・性別によって出す広告が変わる
それぞれの要素ごとに、入札金額とクリエイティブを変えていきます。
「どのページを見たか」での広告出し分け例
このグループ分けをもとに、クリエイティブと入札額を考えます。
男女を分けるなど、さらに細かく分類するとより細かな運用も可能です。
サイトを訪れた人がなぜ商品を買わなかったのか、何の情報があれば買うのか、ということを想像してみると、どんなクリエイティブで伝えればいいのかが分かりやすいかもしれません。
3.ターゲット2
その次のターゲットは1の「顧客になり得るが、自社のことを知らないユーザーへのアプローチ」です。「こうなればいいな」「なんとかしたいな」と思ってはいても具体的な行動は取らないこのユーザーは、潜在層と呼ばれます。このユーザーにサイトへ訪れてもらうためのいくつかの方法をご紹介しておきます。
類似ユーザー×デモグラフィック
各広告配信システムが自動で判断した「類似ユーザーターゲティング(過去、サイトに訪れたユーザーとウェブ上で似た行動を取るユーザーに広告を配信する)」に、「デモグラフィックターゲティング(地域/年齢/性別などを指定して広告を表示させる)」を掛け合わせたメニューです。
自社のサービスに興味がありそうなユーザーで、かつ自社の商品に合うユーザーにのみ広告を配信できます。広告のクリエイティブがユーザーに合ったものになりやすく、明確なターゲットを指定したキャッチコピーも入れることができます。
キーワードターゲット→プレースメントの調整
「キーワードターゲット(指定したキーワードが使われているウェブページに広告を表示する)」でまず配信し、その後どんなページに表示されているのか、サイトごとに効果の善し悪しが変わるのかを見て、効果の悪いサイトを広告配信面(プレースメント)から除外し、効果の良いサイトに絞って配信を強化するという方法です。
この方法では、サイトの効果の善し悪しを判別して運用ができます。
ただ、たくさんのサイトからいきなり最適なものを見極めるのは難しいので、効果を見ながら指定していくとチャンスを逃さずにすみますよ。
自社商品と関連のないサイトに配信する
言わば逆転の発想です。「○○する人は○○する」という発想で、あえて自社のサービスと関連のないサイトに広告を配信する、とう方法です。ただ、何でもいいから、というわけではないことは心に止めておいてください。
基本的にディスプレイ広告は自社のサービスに関連するサイトに出すものです。
ただ、どの企業も同じようなことを考えているため、競争は激しくなり、効果の良い配信面、効果の良いユーザーへ配信するためには入札額も上がってしまいます。だからと言って配信するユーザーを減らしすぎてしまうと、のちのち行き詰ってしまいます。
そこで、直接自社のサービスとは関連のないサイトであっても、ユーザーの心理を想像して関連のないサイトに配信してみることで、思いがけない効果が出ることがあるのです。
例
ダイエットジム:ダイエットジムに興味がある→健康的な食事にも気を使う?!
⇒レシピサイトに広告を出稿してみる など
全ての予想で効果が出るとは限らないので、小額の予算、あるいはテキスト広告で始めるといいかもしれませんね。
4.ターゲット3
3つ目は会員登録やお試しはしても、そこから購入や来店につながっていない、定期購入しないというような「自社の顧客に対してリピートや来店を促す」というアプローチです。
「リマーケティング」と「カスタマーマッチ(GDNで提供する、自社保有の顧客メールアドレスリストをサービスにアップロードして、そのアドレスのユーザーに広告を配信するメニュー)」を利用してみましょう。
リマーケティングで配信する場合は、「購入完了・登録完了ページに到達したユーザー」のみに配信します。なぜその先につながらないのかを考え、仮説をできるだけ立てて、どんな情報を提供すればいいかをメッセージにして広告を配信しましょう。
広告を配信する際には、LPは新規顧客ではなく既存の顧客向けのページにすることが大事になってきます。定期購入のメリット、店舗の場所を明示する、一押し商品などの「登録後のユーザーがほしい情報」を盛り込むようにしましょう。