リスティング広告

「広告在庫の収益化」の視点で考える広告ビジネスとは?

148●2020.12.24_「広告在庫の収益化」の視点で考える広告ビジネスとは?

1.メディアを支える広告

広告というものは、消費者へ商品の情報を伝えたり、企業の活性化を通して経済全体への消費を刺激したりしています。さらには、メディアの経営を支え、メディアを利用するのに無料または安価にしている、という側面もあります。

新聞広告や折り込み広告があることで、新聞は月に数千円で購読することができ、それぞれの家庭まで配達してくれます。あるいはCMがあることで、民放テレビは無料で見ることができるのです。

これと同じように、インターネット上でも、インターネットビジネスが成立していることでさまざまなサービスや多くのアプリが無料で使える、ということは、どれだけ認識されているでしょうか。通信事業者に払う月額料金は、あくまでも通信に対して払っているものです。無料のニュースや検索、SNSなどが利用できるのは、同じように広告収入などがあるからこそ成り立っているということは、理解しておきましょう。

2.持続性の課題

インターネットに対しては、無料で利用できるのが当たり前だという感覚はないでしょうか。無料からスタートしているインターネットでは、コンテンツや情報、サービスの提供に対して「ユーザーに課金する」ということはとても高いハードルでもあります。

サイト・アプリを問わず、ネット媒体でビジネスを成立させるためには、広告収入/課金収入/トランザクション(物品販売)収入/各種データの販売などがあります。ただ、広告ビジネスというのは、「広告=広く告げる」ということからもわかるように、一定規模のユーザーがコンスタントに訪れてくれないと成り立ちません。

一方では広告における媒体ビジネスというのは、ジャーナリズムやエンターテインメントを広く伝えたり、有用なサービスを提供し続けることができ、メディアや情報の「民主化」に貢献しているとも言えます。新聞・雑誌・ラジオ・テレビなどでは、個々の入れ替わりはあるものの、広告メディアとして適正な収支バランスと業界構造を、長い間保ってきました。

今、インターネット広告業界も、その「報道や娯楽の民主化」に貢献できる資質があるのかどうかが問われています。世界的には巨大企業の市場独占で、適正な競争環境が阻害されているのではないか、ということも問題視されています。もし、適正な競争環境が保たれていないとしたら、多様なメディアやサービスの持続性が損なわれてしまうかもしれません。そのことで、ユーザーが無料、または安価でメディアに触れ、コンテンツを利用することが難しくなってしまうでしょう。高額な有料課金メディアが主流になってしまえば、所得によって利用環境に格差が出てくるかもしれません。

こういった情報環境は、社会的に見れば「インターネット広告市場の健全で持続的な発展と成熟」ということになり、メディア的に見れば「広告メディア企業の健全で持続的な経営」ということになるでしょう。「広告メディアのマネタイズ=広告在庫の収益化」でそれが可能になり、それが実現できずに多数のネット媒体が経営困難になれば、インターネット社会のシステム自体が崩れることにもなりかねません。

3.日本でのインターネット広告単価

インターネット広告の販売方法は、市場の需要とともに変化してきました。

従来の広告販売である予約型での「枠売り」
→配信数の急増により1つの広告枠を複数の広告主に分割・ローテーション
→1配信(インプレッション)単位での販売が主流に

従来の広告媒体との効果の比較や需要と供給のバランスで、広告単価の相場は少しずつ平準化されてきました。媒体間の効果を比較するのはとても難しいことですが、それでも配信規模からおおよその収支予測ができるようになり、規模拡大のために自社広告やPRなどの施策も行われてきました。

ところが、特に日本のインターネット広告市場では「広告単価の過剰な下落」ということが起こり、それが今だに影響しています。「広告単価の相場が主要先進国と比べて数分の1」とも言われ、その原因としてはさまざまなことが言われています。

・ネットユーザーの急増=在庫の急増で価格施策が対応できなかった
・効果を高めて単価を上げるよりも単価を下げて販売量を増やしてしまった
・初期のシェア争いでの過剰なダンピング競争が起こった
・広告掲出先の拡大で需給バランスが崩れてしまった      など

確かに価格が下がれば、広告主にとっては少ない予算で、より効果的な広告戦略を打つことができます。ただ、長い目で見れば、低価格が続くことで媒体社の経営が悪化し、品質を重視しない収益だけが目的のメディアを増やすことになってしまいます。結果的には買い手である広告主にとって、メディアプランの選択肢を狭めて品質の劣化を招き、市場全体の健全性も揺らいでしまうでしょう。

4.価格下落の悪循環

広告単価相場に影響を与えた要因の1つに、運用型広告の登場があります。
認知などのブランディング効果を求める広告主が市場にまだ少なかった当初は、運用型に求められていたのはダイレクトな広告効果であり、効率の良い配信でした。そのため、求められる数値の達成を重視し、目先の広告効果を上げようとする媒体社が出てきました。

これによって広告メディアの画一化が生まれ、ユーザーから見れば品質の劣化、メディアとしては広告単価がより下がる方向に、市場が動いてしまいました。

価格下落に対しては、さまざまな取り組みも行われていきましたが、下落の悪循環に歯止めがかからない難しい状況です。

● 理論上はユーザーの価値により選別され、残った在庫が他で選択されることで在庫全体としての売り上げは維持でき、需給がバランスを保てる
→実際には、残りの在庫が減るケースはあったものの、収益向上までにはいかない

 ● 最低入札価格高めの設定で極端なダンピング(採算を無視した低価格での販売)を防ぐ
→単価下落の市場では在庫が約定(条件合致)せず、耐えかねて最低入札単価を下げる判断も

 ● KPIをセルスルーレート(在庫販売率)に設定する
→単価を下げても販売量を増やす、という流れに歯止めがかからない

● 本来は予約型取引で、高値で販売できていた広告掲載枠までも運用型に出す
→相場全体の下落傾向は変わらず

その他、事前審査が困難な運用型取引では、事後審査ケースも多く、質の悪い広告が掲載されることで品質やイメージが悪くなったり、広告単価の下落に対応するため、「1ページに大量の広告を掲載しようとする」「ユーザーの不快感を無視して強制的に広告を見せようとしたりする」など、広告メディアがユーザビリティーを考慮しないことで、ユーザーが離れてしまうことも起こっています。

こういったことからもわかるように、メディアとしての利便性/快適性と広告によるマネタイズは、その絶妙なバランスを保ち続けることはとても難しいことですが、それこそが広告メディアの要でもあります。

5.健全な経営

インターネットに限らず、広告市場は売り手/買い手の関係だけではなく、「多くの一般ユーザーが無料あるいは安価で、情報やサービスを利用できる健全な環境を発展/維持させる」という役割も担っています。また、価値に見合う価格を維持する責任もある、という意見もあります。

テクノロジーを制御して取引を正しく機能させ、適正な収益を還元するように修正していくことは、業界としての社会的使命であるとも言えるでしょう。そのためにも、広告メディア側もアドテクベンダー側も、広告市場に関わる事業者が、競争と連携を積み重ねながら広告の価値を高め、適正なマネタイズをサポートしていく創意工夫がとても大切なことです。

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