総務省の「令和5年情報通信に関する現状報告」によれば、Instagram利用者は国内で約3,300万人、Facebookは約2,600万人だそう。いまやSNSはマーケティングにおいても欠かせない存在になっています。そんなInstagramやFacebookには広告を出すことができ、チャレンジしたいと思っている人もいるでしょう。ディスプレイ広告としてはGoogle広告が有名ですが、SNSに広告を出す意味もまたあります。今回は、いわゆるMeta広告についてどんな広告なのかを解説します。
1.Facebookの特徴
2024年で20周年を迎えるFacebook広告のターゲットとしては「ビジネス層」です。
Facebookの登場によりソーシャルメディアという名前が広まりました。日本での月間アクティブユーザー数はおよそ2,600万人で、人口の1/5が利用していることになります。国内シェアはSNSのなかで第5位。30代から40代のユーザーがもっとも多く、いわゆるビジネス層の利用が目立ちます。
プライベートで利用する人ももちろんいますが、取引先・同業者仲間などビジネス関連での繋がりによく使われている印象です。そのため「仕事で訪れた場所や出会った人」「仕事を通して得た教訓や気づき」などを投稿することが多いのが特徴です。Facebookの特徴を考えると「セミナーの告知」「ビジネスツールの宣伝」などに向いています。ターゲットが30歳以上の仕事をバリバリしている男性・女性であれば、ビジネス関連以外でも相性は良いでしょう。
Facebook広告の挙動
Facebook広告というのは広告をクリックすると設定したリンク先に飛ぶようになっています。HP・LPに誘導するために、いかにユーザーにクリックしてもらうかがポイントです。
課金方法
「インプレッションで課金される」と考えるとわかりやすいでしょう。クリック課金/ダウンロード課金の設定も可能ですが、最初はインプレッション課金で良いでしょう。
どんな広告が出せるのか
10種類の広告があります。
1)画像広告
2)動画広告
3)スライドショー広告
4)カルーセル広告
5)インスタントエクスペリエンス広告
6)コレクション広告
7)リード広告
8)ダイナミック広告
9)クーポン広告
10)イベント広告
タイムラインで流れるのが上記の4つの広告です。最初はこの4つの中から選ぶのをおすすめします。
2.初心者向けの4つのFacebook広告
画像広告
「画像が1枚しかない」「この画像1枚をバナーとして広告を出したい」こんな場合は画像広告がおすすめです。
動画広告
「動画が作れる」というなら動画広告にチャレンジしてみましょう。
スライドショー広告
「画像が複数枚あって手軽に多くの情報を伝えたい!」という人は、自動で画像が切り替わるスライドショー広告を選びましょう。
カルーセル広告
画塑像が複数枚あり、いろいろなジャンルの情報を伝えたいなら、自分でスクロール可能なカルーセル広告もあります。
使い方に応じて選んでみてください。
3.Instagramの広告
Instagramには6種類の広告があります。
1)写真広告
2)動画広告
3)ストーリーズ広告
4)カルーセル広告
5)コレクション広告
6)発見タブ広告
最初にチャレンジする広告としておすすめなのは「写真広告」「動画広告」「カルーセル広告」です。Facebook広告と同様に写真1枚なら「画像広告」、動画制作をするなら「動画広告」、複数枚あるなら「カルーセル広告」です。Instagramには、ならではのストーリーズ機能がありここにも広告を出すことができる「ストーリーズ広告」もあります。
■Instagramのどの面に出せばいい?
これはよく聞かれる質問なのですが、いろいろとチャレンジしてみて最も良かったところに出していくのが良いでしょう。まずは実際にテストしてみるのがおすすめです。予算にもよりますが、最低1ヶ月は見てみてください。1ヶ月経っても数字に差はつかない・判断がつかないという場合は、さらに延長してみましょう。
4.Facebook/Instagram共通の内容
Meta広告、特にFacebookなどではアカウントに「職業」「卒業大学」などの情報が紐づけられていたり、どんなジャンルの投稿をクリックしたかという情報はMeta社に蓄積されています。どんなタイプの人なのかという「セグメント」が得意なメディアです。つまり「どんなタイプの人に広告を配信すれば良いのか」ということを詳細に設定・指定できるのが大きな特徴です。
基本的な情報の設定
■年齢:
13歳~65歳までの1歳刻みで調整が可能です(65歳以上はひと括り)。
■性別:男性/女性/すべて
■デバイス:モバイル/デスクトップ
■プラットフォーム:Facebookのみ/Instagramのみ/すべて
■配信エリア:
どちらも国単位・県単位・市区単位で設定が可能です。一部の市・区では選べないエリアもありますが、Meta広告もGoogle広告同様にピンを打つことができます。ピンから半径○kmのように設定が可能です。
特徴的な設定
■興味・関心:
買い物/ファッション/フィットネスなど興味のあるものをチェックして選ぶことが可能。たとえばダンベルなら、フィットネスにチェックすることで、普段から筋トレしている人をターゲティングし、広告をセグメントして配信することが可能です。
■利用者層:
学歴/世帯年収/ライフイベント/子どもの有無などを選べます。大学を卒業し、新卒で就職するというタイミングのユーザーに対して1合炊き炊飯器の画像広告を配信するなど、細かい配信ができます。
■行動:
購入行動/よく旅行する人/中小企業のオーナー、などで選ぶことも可能です。このように、細かいユーザー層に対するセグメントが可能です。
■サイト訪問者のリスト:
コンバージョンユーザーのリストを作成し、リストのユーザーもしくはそれに類似したユーザーに配信が可能(コンバージョンユーザーのデータを蓄積し、同じような属性のユーザーに広告配信できる)。たとえば「〇〇な人は△△商品を購入するので、同じようなタイプに広告を表示すれば購入する確率が高い」といったユーザー層をセグメントして広告を配信できるのです。
データの集め方
・学歴/仕事/交際ステータス → アカウント作成時に登
・興味・関心 → どんなページを「いいね!」しているか・どんな投稿をしているかをもとにFacebookが独自にカテゴライズ
共通して広告を出す場合
1枚でいいので、「画像広告」を「半径5~15kmの配信エリアで出してみましょう。興味・関心で関連する項目に絞り込み、あまり反応がない場合は項目を変えたり、広げたりしてみるのがおすすめです。コンバージョンが取れてきたら、コンバージョンユーザーのリストを蓄積してリストの類似ユーザーに配信していきましょう。
まとめ
優先順位をつけるとしたら、まずは検索型広告をおすすめします。やりたいこと・ほしいものが明確だからこそ検索するので、コンバージョンの確率が1番高いはずです。そこである程度コンバージョンが取れるようになってきたら、第2ステップとしてMeta広告やディスプレイ広告で「潜在層向けの広告」を出してみるのも良いと思います。潜在層向けの広告とは、あまり明確には意識していなかったが、それを呼び起こすタイミングで広告を配信するということです。基本的にはビジネス向けはFacebook広告、趣味向けはInstagram広告と考えましょう。