1.ペルソナとは?
マーケティングでは、ターゲットである最も象徴的なユーザー像を考え、それを使ってマーケティングをしていくペルソナマーケティングというものがあります。一般的には、年齢・性別・生活スタイル・人格などを人物像が浮かび上がるぐらいまで細かく設定し、その人に合うように広告を考えていきます。
例えば、50代の女性。介護士として勤務。夫と娘の3人で都内郊外のマンションに住む。家事と子育て、また仕事がらいつも疲れがちで腰に痛みを抱えている。本来は行動派で独身時代は旅行が趣味だったが、結婚後は忙しく休日もあまり出かける時間がない。物事を決めるときはリサーチする派で慎重だが、必要なことにお金は惜しまない。。。といった感じです。
2.ターゲット・ペルソナを決める理由
なるべく多くの人にサービスを利用してもらいたい、という気持ちは誰でもあるはずです。とは言え、そのためには予算も必要になり、大きな媒体で広告を出す必要があります。限られた予算の中で最大の効果を考えているならば、まずはターゲットをできるだけ絞ってみましょう。ターゲットをより絞って行くことで相手が具体的に見えれば、「最適な情報を届け、その人に行動してもらう」広告により近づけます。また、チームで進める場合は、具体的なターゲットを明文化することでイメージがはっきりし、それを同じイメージとして共有することができます。
どれほど魅力的な文章や言い回しができたとしても、それでユーザーの心が動き、行動してくれなければ意味がなくなってしまいます。具体的なイメージができれば、よりその人物像に寄り添った、深い文章も書けるはずです。ペルソナを考える際には、できるだけコアターゲットになりそうな人に直接インタビューしてみるのをお勧めします。頭で考えるよりも、より実情にあったペルソナ像を描けますよ。
3.表面的なペルソナは設計には使えない
ペルソナを作るのはとても有効ですが、作るのが目的にならないようにしたいですね。
ペルソナを作るのはターゲットを絞りこんで、具体的によりイメージを持てるようにするためです。従来のペルソナにありがちなプロフィールだけを考えてしまうと、結局はその人に自社のサービスを使ってもらうきっかけが思い付かず、せっかくのペルソナがムダになってしまうかもしれません。
ペルソナを考える際には、従来のペルソナに足りなかった「感情」と「時間軸」も合わせて考えるのをお勧めします。「感情」とは、つまりそのターゲットペルソナの深層心理、もしくは本音の部分です。「時間軸」とは、時間の経過によるターゲットペルソナの感情の動きを考える、ということです。
例えば「ダイエットをしたい。でも面相なことは嫌い」というペルソナ設計をしたとしても、人間は常にダイエットのことを考えるわけではありませんよね。1日の中のタイミングでも変わりますし、面倒なことが嫌いでも、何かのきっかけでチャレンジしようと思うタイミングが訪れることもあります。ターゲットの感情は常に動いていることを頭に入れ、どのタイミングで適切な情報を伝えるのか、それが時間軸です。
4.ペルソナ+αで設計
それでは実際にはどうすればいいでしょう?
ペルソナを考える際には、従来のペルソナ+4つの項目を考えてみてください。
悩み どんな悩みがあるのか?
なぜ それを悩む理由
理想 求める理想の姿
ハードル 理想を阻むハードル
ペルソナ+α設計の例
ペルソナ:
25歳女性。都内の中小企業で事務職。1人暮らし。仕事が終わる時間が遅く、食生活が偏りがち。最近体重増加が気になり、彼氏にも「太った」と言われる。
悩み: 体重の増加
なぜ: 夏に水着が着れない。薄着も躊躇する。
理想: 水着が着れる体型。夏に薄着がしたい。
ハードル:面倒くさがりで長続きしない。食生活の制限はしたくない。
以前ご紹介した3つのポイントで考えてみましょう。
いつ?→夏のダイエットに間に合う時期
どんなタイミングで?→手軽なダイエット方法を探すタイミング
何を伝える?→ぽっちゃりお腹の水着姿を理想的な水着姿をビジュアルで
さらに、「やるなら今だ!私にもできそう」と感じさせられるような感情の設計を考えると、どのようなアプローチをすればいいか見えてきませんか?このように、ターゲットを考える時には表面的なことしか見えてこないペルソナだけでなく、感情の部分も考慮して考えてみると良いと思います。