「絶対に見ちゃだめ」と言われると、逆に見たくなるのが人間の心理ですよね。これを心理学ではカリギュラ効果と言います。たとえば「ぜひこの続きを見ましょう」と言うよりも、「興味がある人以外は参加できません」と表現したほうが、思わず興味を惹かれてしまうというものなのです。今回は、こんなリスティング広告に使える5つの心理学をご紹介します。
1.ザイオンス効果
「同じものに何度も接すると、そのものに対して好印象を持つ」という効果です。
たとえば何度も同じCMを見るうちに、その企業や商品が気になってきてしまうということはありませんか?お客さまと何度も会ったり、メッセージを送りあったりとコンタクト回数を増やすだけで、そのお客さまとの仲が良好になり印象が良くなります。
広告の場合は、リマーケティング広告、Metaバナー広告、YouTubeショートなどで頻繁に見かけるような状況を作るようなことです。高速道路を毎日使う場合、毎日同じ場所で同じ看板を見ることで覚えてしまうのと同じような効果です。「刷り込み」とも言いますが、ザイオンス効果を使って、さまざまな媒体で広告を目にする状況を作ると効果的です。
2.ウィンザー効果
「第3者からの情報によって信ぴょう性が増す」という効果です。
口コミやレビューなどは、この効果を利用したものです。自分のHPなどでいくらお店の良さをアピールしてもなかなか信じてもらえないものですが、それが第3者なら信ぴょう性が増すのです。Googleの口コミは、まさにこのウィンザー効果を利用したもの。この10年ほどでかなりの信頼度が上がり、最近ではこの口コミでお店を選ぶのが常識になったと言っても過言ではないほどです。指示されている理由のひとつは「良い意見だけでなく、マイナスの意見も載せている」ということです。これがとても重要なのです。
どんな口コミシステムでも、良い評価ばかりだったり、オーナーが簡単にマイナス意見を削除できてしまったりするものでは信ぴょう性がなく、参考にはされなくなってしまうでしょう。Googleマップの口コミは賛否両論がありますが、マイナスの口コミが書けることで信ぴょう性を高めているという側面もあるのです。
マイナスの口コミがあると落ち込むかもしれませんが、むしろこういった口コミにしっかりと対応することで、より口コミの信ぴょう性を高めることができます。ぜひチャンスととらえて、業務改善を約束するなど誠意ある対応でコメントを返信しましょう。
3.ビジュアル優位の法則
人間の脳は、文字だけよりも画像やイラストが一緒のほうが素早く情報を処理できる、というものです。HPは文字だけでなく、写真やイラストなどのイメージも一緒に利用したほうが相手の目を惹きつけることができます。
たとえば、六法全書や広辞苑を1時間続けて読むのは苦痛でしかない、という人は多いでしょう。それが漫画ならどうでしょうか。漫画ならあっという間に時間が経ってしまうでしょう。好き・嫌いも関係ありますが、画像やイラストが一緒の場合は状況や状態をすぐに理解しやすく、すっと頭に入ります。文字ばかりになっていないか、適度にイラストや写真が入っていて内容を補足できているか、今一度HPを確認してみましょう。
ただし、多ければ良いというものでもありません。文字情報をわかりやすく補足する、一目でわかるようになっていることが大切です。広告の設定でも、画像表示オプションの設定でバナー広告や動画広告も一緒に出すことで、今まで反応がなかった層の反応を狙うことができます。
4.返報性の法則
人には他人から何かを与えられると、それに対してお礼をしたいと感じるという性質があります。心理学的には、人は他人に借りを作りたくないという心理が働くと言われています。
たとえば、スーパーの無料試食。「試食をしたから買わなければ」と思ったことはないでしょうか。試食をして思わず「おいしい!」と言ってしまい、定員さんに「おいしいでしょ?」と言われると、買わない理由が見たりません(笑)。そのまま立ち去ることができずに思わず買ってしまう、これが返報性の法則です。個人的には、なるべく試食はしないように気をつけていますが(笑)。
お客さまにお願いごとをしたり、リピートしてほしいというような時には、この返報性の法則を上手に使ってみましょう。
5.好意の法則
人には、自分が好意を寄せる人の言うことを聞き入れやすい、という性質もあります。自分に似ている部分があったり、その人に魅力を感じていると好意が生まれます。
HPの下のほうなどで、企業理念にある社長のメッセージなどを目にすることがあるでしょう。月並みなことが書かれているよりも、プライベートでのこだわりなどが書かれていると惹きつけられたりしませんか?それが自分と同じ趣味だったり、興味があることだったりすれば、興味や親近感が湧いて共感を得られやすくなります。このような状態を作ることができれば、何気ないひとことでも聞き入れたくなってしまうのが、この「好意の法則」なのです。
HPで、店長や社長、スタッフなどの「人となり」がうまく伝えられているかをチェックしてみましょう。一人ひとりのストーリーは、お客さまの心を惹きつけるのに有効なのです。
まとめ
何となく耳にしたことがあったかもしれません。ただ、これをHPや広告にどうつなげれば良いのかわからなかった、という人もいたかもしれません。今回ご紹介した5つを意識しているだけでも、なぜそのアクションをする必要があるのかを実感でき、営業力になってプラスになるはずです。